最近ではVRなどWEB上で開催することができ様々な方法で
作品の販売や展示を行うイベントが増えてきました。
2019年までは私も展示会を共同で主催をしていたのでコロナを抜きにして、
その時の手順を公開いたします。
企画展を開催するには、すなわち「マーケティング力」が必須です。
どんな企画展を開催するか
タイトルを決める
タイトルを決めます。その際、コンセプトも同時に考え、
自分の決めたいタイトルに類似のタイトルを持つ展示会がないか探します。
もし似ている名前があってもコンセプトを明確にし分別できていれば問題はないです。
例:企画展名「モンスターの故郷」 ジャンル:幻獣、モンスター、ドラゴン ストーリー:モンスターの生息する故郷に迷い込んだあなた。どんなモンスターに出会ってしまうのでしょう… コンセプト:幻獣、モンスター、ドラゴンを対象にした作品の展示、販売を行う。迷い込んだ雰囲気を出したいため一部、暗幕を使う。(小道具あり)
こんな感じで「0」を「1」にする作業をし、何案か企画展案を出していきます。
大事なのは企画展ですので人を集めなくてはなりません。
作家さんの胸に響くタイトル名、内容を基準に決めると人が集まりやすいでしょう。
簡単に企画書としてまとめておきましょう。後ほど使います。
タイトルやコンセプトを決めたら、次は会場探しです。
会場を探す
会場の探し方
開催地を探すにあたって大事なのは
- 来客の際の利便性、来客のターゲット層
- ギャラリーの広さ、机や台などの貸し道具があるか
- ギャラリーの料金、キャンセル料
東京であれば若い人が多い街、出版社が多い街などマーケティングリサーチをします。
電車で来客される方などイメージしどこのギャラリーが良いか決め、
実際に問い合わせをし下見をさせてもらいましょう。
その際「企画書を事前にお見せする」もしくは「企画書を持って打ち合わせ」をする気持ちで
ギャラリーの方とお話をしておくとスムーズにいきます。
下見の大切さ
実際に下見をし分かることがあります。
古い家をリノベーションした会場だと入れる人数に制限あるなど制約がでてきたりします。
また総じて騒音には厳しいので近隣の方が迷惑する企画展はNGです。
ギャラリーの料金の支払いも基本的に支払いをすることで予約がとれるシステムなので
作家さんを集めてから支払いをしていると他の方に借りられてしまう事もあります。
開催地が不明な企画展は参加する側も不安になり集まりません。
作家さんを集める前に支払って開催地を確保しまいましょう。
※ギャラリー料金の支払いはギャラリーごとに違いますので要確認です。
作家さんを募集する
募集する公式HPも制作しましょう。
募集要項のページ、申し込みページも作り参加費なども記載します。
開催日
土日にかかるようにすると来客数は増えます。
金曜日設営→土日開催→月曜日撤収
どんなに頑張っても最低3~4日はギャラリーを借りることとなります。
設営日等も料金は発生してるので注意が必要です。
また作品は繊細なモノが多いので丁寧に扱う分、時間もかかります。
できれば作家さんご本人が設営が望ましいです。
参加費と売り上げについて
ギャラリーの下見などでレンタル料が分かると思います。
この時、レンタル料が都内〇日開催で15万円だったとしたら参加費でトントンになるよう設定すると安心します。
また、企画展のレベルにもよりますが高すぎる参加費だと参加者は集まりません。
20人程度を集められると参加費も下げられギャラリー代も返ってきますのである程度はボランティア精神が大切です。正直、参加費でトントンでもギャラリーの下見での交通費やこれからかかる雑費などもありますのでここから黒字にできるかは腕の見せ所です。
売上が出た際に作家さんから手数料で30%~50%を取るところが多いですが個人で主催している場合は30%が多いです。この手数料を頂いて黒字に持っていく形にしていました。
ですので、来客がなければボランティアになります。
会場の図面をもらう
もらえる場合はそれを基準に配置図を考えます。
もし貰えない場合は会場を下見する際にメジャーも持ちその場で図面を制作し帰宅後にパソコンを使い10分の1サイズで図面を作ってしまい配置図とします。
そうすることで作家さん上限人数が分かるのと作品の置ける数も想定できます。
当日、印刷し設営時に見ながら配置することができるので便利です。
広告宣伝活動
ここでもマーケティングの広告宣伝活動が必要となります。
SNSは無料で使えますしニュースサイトに掲載依頼のメールをしたり、告知用のバナー制作。
作家さん自身が告知できるようにDMやチラシの制作もします。
ギャラリー近隣のお店や関連するイベントにも置いて頂いたり手配や交渉をしていきます。
この時、ビジュアルが大切で見た人が「面白そう!」「行ってみたい!」と相手に思わせることが大切です。
作家さんへ声をかける
企画展のイメージから外れていない作家さんに声をかけましょう。
例えば「植物」ジャンルの企画展に「風刺画」をメインで描かれる作家さんに声をかけても失礼なだけです。メールのお誘い文章にもよりますがお誘いする以上、定型文ではなく個別に文を書く事がポイントです。また注意・免責事項も設けます。
もしくはSNSで出店参加者を募る方法もあります。
どちらにせよ主催をしていく上で信用できる人間であること、責任を持てる人間であることを証明し続けることが大事です。
なんせ、主催しいろんな方から「お金」を集めるのですから。
開催を実行する
開催日が来るまでの間に上記以外にもやることは多々ありますが大まかな流れでこんな感じで進めます。当日の現場入りは朝早い方がオススメです。
郵送で届く作品もあるため届いているかチェックし、届いていない場合は連絡をします。
レジに関して
支払いはレジアプリを導入すると販売件数が目視ですぐ分かり便利です。
レジアプリはSquareがオススメです。
エクセル管理で商品を追加できるので事前に作家さんから自分の作品をエクセル記入をしてもらい
それを回収後にまとめて登録すれば手打ちで作業をしなくて済みます。
また、そうすることで入力ミスを無くすことができます。
※カード決済は別途、部品を購入する必要があるので注意が必要です。
撮影に関して
会場全体の撮影は許可しても接写撮影はNGにした方がいいです。
毎年、作品の無断使用で制作した違法グッズなどが必ず話題にあがるように高解像度で接写した画像を複製し無断販売ができてしまう為です。
中には接写許可をだしたいという作家さんもいる可能性はありますが責任は負えません。
撤収までが企画展
郵送希望の作品を梱包し作品数がある場合は数えたりします。
全て梱包を終え宅配業者に引き渡したら作家さんに発送を知らせ売り上げの集計をします。
集計は全て終わってから作家さんに伝え売上があった作家さんにのみ振込口座を教えてもらいます。
振り込みが完了し、作家さんにお知らせをしたら終了です。
その後、反省会や参加された作家さんにアンケートを取るなどもしていました。
一連の流れをざっと、書き出してみました。
私の当時のやり方なので他にも楽なやり方はあると思います。これから企画展を考えてる人の参考になれば幸いです。